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60年の歴史 第5章

第4節 次の100年に向けて

新WITプロジェクトの推進と本社工場の充実

竣工なった新本社・本社工場

2002年(平成14)に取り組んだWITプロジェクト「金型製造システムへの流れ作業システムの導入」は計画を上回る実績を残したが、海外生産展開を拡大する自動車メーカーからの高精度、コスト低減要求はさらに強まった。これに対応するため05年8月3日、金型の各部品の超高精度金型製作と連続稼働を実現すべく再び中小企業経営革新支援法による「超高精度ダイカスト金型の製造システム構築」を目的とする「新WITプロジェクト」を推進した。

ダイカスト金型部品は、最低6方向からの加工が必要であるため、被加工物を固定して6方向から加工するか、もしくは加工軸を固定して被加工軸を6方向に回転させる必要がある。しかし、こうした従来の方法では、6方向の加工に対して1方向ごとに段取り替えするため6種類の加工基準が必要となり、その6種類の加工基準間の精度によって全体の精度が決まるため、精度は低く、誤差が大きくなっていた。この改善には1種類の加工基準によって6方向の加工が同時に行われることが理想だが、被加工物が加工抵抗によって動くため、1方向だけは固定のため同時加工できない。この解決には、当時開発された5軸加工機を用いて、一つの加工基準で1〜3面を加工した後、加工のすんだ1面を固定し、もう一度残った3〜5面を別の1種類の加工基準で同時に加工する方法が最も誤差が少なくなる。

第一工場

このため、多パレット型5軸加工機、多パレット型横型マシニングセンター、門型マシニングセンターと、それらを一貫して駆動するためのCAD/CAM設備を導入し、かつ、間接部門の再編統合のため精機工場と管理棟を増築することとした。

新WITプロジェクトは、Wシステム(ワークセッティングのマシン外段取りシステム)における横型・門型・立型5軸加工機の有機的連携を図る新ワーク搬送システムの実現と、全体目標を効率的に行うための管理部門の再編統合が特徴である。

このため、増築する精機工場内には室温熱膨張誤差をなくすための恒温工場を設置し、ISO14000の認証取得を視野に入れた切削屑の集中廃棄設備によるクリーン工場の実現を大きな柱とした。また、管理棟については、経営・管理・財務・総務、営業・設計を同一フロア内に置き、経営方針の徹底を図り、かつ、潤いのある、働きがいのある環境を提供できる工場として整備することとした。

プロジェクトCSE、新WITプロジェクトに基づく本社工場の整備は、04年10月から06年にかけて、本社第二工場の増築と3次元測定機SVA1000A、5軸加工機、自動倉庫の導入、精機工場の増築と恒温工場の設置などを行った。ここで本社工場としたのは、前述したように03年7月1日に中国大連市に全額出資の子会社大連松村設計有限公司を設立したからである。

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