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60年の歴史 第4章

第2節 社長交代と新たな分野の開発

新CI「その先の技術へ MOVE ON」の制定

1990年(平成2)をピークとするバブル経済が崩壊した後、日本経済は戦後最長の景気後退を経験。「複合不況」「平成不況」とも呼ばれた日本経済の「失われた10年」は、当初大手金融機関の不良債権の行き詰まりから中小零細企業の倒産などが多発、長期にわたる不景気がデフレーションを誘発し、個人消費の冷え込みから企業の設備投資も滞り、日本経済は低迷した。景気に大きく左右される四輪車の国内販売も低迷し、2003年の新車販売台数は582万台で対前年比106%となったものの、1990年の777万台には遠く及ばない水準で、自動車メーカーの海外展開は進むばかりだった。

完成車メーカーによる海外現地生産比率の拡大に伴うグローバル化のなか、部品メーカーは、世界最適調達による部品メーカーの絞り込みや系列を超えた調達による購買コスト削減の本格化、そしてさらなる効率化要請のため、部品のモジュール化への対応が避けられなくなった。さらに、アメリカのリコール強化法(U.S.TRADE Act)など、法規制遵守や品質保証等への取り組み強化も避けられない。このため、車部品メーカーには、国境を超え、あるときは自社の枠組みを超えて環境の変化に対応する柔軟性と俊敏性、高品質を確保するプロセス構築が生き残るためのキーワードとなった。

一方、中小企業の場合、かつてはきわめて優れた技術を保有していれば腕一本でも業を興し、事業をある程度発展させることが可能だったが、機械のNC化が進み、設計、製造がCAD/CAMへ移行した現代では技術(腕)だけでの生き残りは難しくなっている。とくに、GDIエンジン開発プロジェクトのような製品開発のサポートも行っていくためには、技術開発力とその技術を戦略的にマネジメントしていく人材も必要になる。しかし、就職氷河期で中小企業が優秀な人材を得やすい状況にあるとはいっても、金型企業に対する3K(きつい、汚い、危険)イメージや消費者に直結しない業態ゆえの知名度の低さから人材確保は難しい状況にあった。

会社案内

このため、浩史社長が中心となって騒音、振動、粉塵等による厳しい職場環境イメージを払拭し、CAD/CAMをはじめとする最先端機器導入に積極的な姿勢をPRしようと、リクルート用の会社案内制作に知恵を絞った。97年には松村精型の頭文字Mと金型(MOLD)をテーマに「M×YOU=∞」を制作。「M'sMESSAGE(Mの魅力)」「M's TECHNOLOGY(Mの本質)」「M's REALITY(Mの現実)」をテーマにCAD/CAMとCAEを結ぶインターフェイス「CADDSOLD」の開発などをアピールした。そして、この試行錯誤のなかで当社の特徴として出てきたのが、「創業以来、常に最先端の技術を導入し、最新のテクノロジーを駆使して、常に時代の先端のニーズに即応でき得るその先の技術習得を信条としてきた」姿である。そして、その姿を一言で表したのが、「Move on(立ち止まらずにどんどん進む)」である。

98年、新たに製作した会社案内は、「松村精型の背景には、とどまることなく“Move on”するフロンティア・スピリットがあります」「プロダクトの開発から製造までをトータルにとらえ、時代が求める生産技術を提供する—私たちの視線は“Move on”をキーワードに、つねに“その先の技術”へ向けられている」と、技術や設備だけではなく経営も働く人も含めて常に進化しつづけ、次代のクオリティーを自分たち自身の手でつくりあげようとする意気込みと姿勢を宣言した。以後「その先の技術へ MOVE ON」は、常に最高の品質を求めて技術力を磨き向上しつづけることと、その姿勢を持ちつづけ発展しつづける決意・理念を表す新CI、当社のブランディングメッセージとして今日に至っている。

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